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付き合ったとはいえない恋愛
『2ちゃんねる』で語られた、星と姉さんとみっちゃんの物語
since.2005/11/7

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                                                   さんくすリンク:*・.スノードロップ*.☆  〜ゆきの花〜   
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180 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 20:36:41 ID:AEdqIgbm
彼女に出会ったのは今から1年前。
知人を介して飲み会の席で知り合った。
3対3の飲み会で合コンとはちょっと違って僕以外は皆顔見知り。
僕は当時彼女もいたから「合コンじゃなければ」と気兼ねなく参加することができた。
その中で僕が始めて会った女の子は2人。その中に「ウィッス!」みたいな軽い挨拶をしてきた子がいた。
皆から「姉さん」と呼ばれている子だ。
僕よりも3つ年下で身長も155cmしかないし、「姉さん」と呼ばれているワリにはちっちゃいが、
何事にも物怖じしない、明るい子で「姉さん」と呼ばれるだけの気さくさを持ち合わせていた。
それが、彼女に初めて会った時の印象。
182 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 20:43:52 ID:AEdqIgbm
お店に入っても「姉さん」はテーブルに運ばれたサラダやら刺身やら、
そして大好きだというスーパードライをガブ飲みしながら、
初対面の男を前にしても物怖じせず良く食べ、良く飲む子だった。
少し呆れたけど、その飾らない性格に自然と会話が弾んだのを覚えてる。
だけど、皆はそんな彼女に「おいおい、大丈夫かそんなに飲み食いして」と心配していた。
うん、"心配"してたんだ。
別に太ってるわけでもないし不思議に思ってたけど、
それも冗談のうちかと、僕も「大丈夫か?」なんて話を合わせてた。
だけどその雰囲気が僕は苦手だった。
嫌な感じがしたんだ。何か自分だけ疎外されているようなそんな感じ。

それが、いづれ彼女の心配を誰よりも僕がすることになるなんて思ってもいなかったんだけどな。
184 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 20:50:29 ID:AEdqIgbm
当時「姉さん」は結婚をしていると言っていた。
結婚2年目だというのだが、旦那と上手くいかないなんて愚痴をこぼしていた。
彼女は数ヶ月前まで美容師として働いていたらしいが、
今は専業主婦で、仕事をしたいができないとか、子供も作れないとかぼやいてた。
それも明るく冗談のように話していた。
それが何故なのか少し原因が気になったけど、
初対面の女性を相手にあまり深くクビを突っ込むことには腰が引けて、
冗談半分で「別れろw別れろw」なんて煽ってた。

それが彼女との出会いだった。

ほんとに普通の出会いだなwww
185 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 20:58:41 ID:AEdqIgbm
その出会いの後、一度だけ皆で飲むことがあった。
2ヶ月くらいが経ち、今度は彼女と二人で飲むことになった。
それは彼女からの誘いだった。
「相談があるんだけど、明日飯でもどう?」
普段なら、女性からのこんな誘いには喜んで行くんだけど、
そのときは何か二人で会う事に少し抵抗感があった。
もちろん彼女が結婚していたというのもあったが、それだけではないものも、なんか感じていたと思う。
それは上手く言葉にはできないけど。。。
でも、僕の答えは
「もちろん、大丈夫だよ♪」
断る理由なんて見つからなかった。
嫌な感じは拭えないけど、会わなきゃいけないみたいな気持ちもどこかにあったと思う。
いや、決してやましいコトは考えてなかったと思うけどww
188 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 21:04:55 ID:AEdqIgbm
日付が変わり、彼女に会う日を迎えたわけだが、
僕の心の中は、昨日の嫌な感じが使命感に占拠され始めていた。
「彼女が僕に助けを求めている」 
勝手にそんな事を思い始めていたw
そんな事を考え始めていたら使命感すらだんだんと薄れてきて、
今度は自分の都合の良い"男"部分が少しづづ前に出てくる。
もしかしたら、「あなたのことが好きだから、今の旦那と別れる」なんて言い出すんじゃないかって、
そんなことまで考え始めて、
1人妄想を抱きつつ受け答えのシュミレーションまでしている自分がいた。
しかし、ふと我に返って。。。orz。

男ってほんと見境ないよなw
190 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 21:09:12 ID:AEdqIgbm
日も暮れ始めてそろそろ彼女との待ち合わせの時間。
僕は普段あまり身に付けていなかった、
サイパンで買ったサーフボードを模ったシルバーのネックレスを身に付けた。
少しでも若作りしてみたくなったと思うw 
彼女はどちらかというとラフな感じのファッションだし、
僕はどちらかというと黒が主体のファッション。
それでも彼女に合うように少し崩したセレクトで、
少し納得いかない感じだが、そのまま出かけてみることにした。
193 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 21:16:38 ID:AEdqIgbm
彼女と向かったのは、僕がオープンのお手伝いをした
芝公園の近くにあるイタリアンレストラン。
ここはめちゃめちゃパスタが上手い!
スタッフも良く知ってる連中だから、気兼ねなくわがまま言えるし、
常連っぽく振舞えれば、彼女の僕に対するポイントもアップするんじゃないかなんて、
気分はもう恋人気分だったと思うなw

一応僕の仕事にも触れておく。
漏れはレストランをつくる仕事をしている。
かっこよく言えばプロデューサー。
正確にはそういう会社に勤めているサラリーマンなわけだがww
それでも、「ここは僕が作ったお店だよ」なんて言いながら、
女の子を誘う武器にしていたことは言うまでもないのだが。。。スマソ
195 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 21:18:37 ID:AEdqIgbm
お店はもちろんリザーブを入れてあるし、僕とスタッフはツーカーだ。
スムーズに店内に入ることは当たり前。
席についてスタッフが持ってきたメニューを手にしながら、
お決まりのように彼女がスタッフとやりとりを始める。
「ここのビールは何ですか?」
「モルツです」
「スーパードライはないの?」
「申し訳ございません」
「チッ…じゃあ、ワインでも飲むか」
おいおい、舌打ちかよ。。。
何もそこまでスーパードライにこだわらなくてもいいだろうに。。。
しかし、そんな舌打ちすら笑いに変える彼女の人柄はスタッフにも伝わっている。
ビールの味に無頓着な僕は彼女のこだわりはいまいち理解できないが、
次に出す店はスーパードライにしようと心に誓ったw
199 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 21:30:09 ID:AEdqIgbm
ワインは僕がセレクトした。
仕事の関係上それなりにワインには詳しい。
確かルピカイアというイタリアのワインだ。
カベルネを使ったパワフルでいて繊細なワインだ。
とワイン教本に書いてあった。
ぶっちゃけ、ワインの味なんぞわからんのが本音。
スタッフは普段やらないくせに僕が女性と二人っきりなもんだから、
テイスティングを勧めてきやがった。僕のグラスに少しだけワインを注ぎ、「如何ですか?」
(よし、やってやろうじゃないの)臨戦態勢に入った僕は
数回グラスを回してから舌先にワインを運び、
テイスティングしてる"フリ"で、お決まりの「結構です」。カッコいいんだか悪いんだか。。。
彼女はそんな僕のぎこちなさを察知したのか、
「本当にわかんのかよっ!?wwww」
やっぱりそれが「姉さん」の突っ込みだよな。
その突っ込みに僕の空回り気味の気合が消えた。さすが「姉さん」。
しかしこれで、もう僕にはシルバー以外の武器wである必殺の決め台詞を言うタイミングは無くなった。

「ここはねぇ、僕が作ったお店なんだ」
言えねーわな、この人にゃ。。。。。。。orz
200 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 21:37:38 ID:AEdqIgbm
彼女とは何度か皆で食事に行ったことがあるのは先にも書いたが、
彼女には食事に来るとお決まりの行動パターンがある。
それは、食事の前に必ずトイレに行くことだ。
この日も注文が全て終わると、いつものピンクの化粧ポーチを持ってトイレに行く。
なんか僕はその光景が「姉さんらしい」なんて思ってた。
普通は食後に行くものだが、彼女曰くは、
「美味いもん食ってる最中で、もよおしたら嫌だろ?」ってことらしい。
(そういえばこの人主婦なんだよな。まあ、普段は旦那と外食もしてないみたいだし、ガッついてくださいな。奥さんwww)
201 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 21:43:24 ID:AEdqIgbm
食事はいつものように楽しい会話で盛り上がった。
相変わらず良く食べるし良く飲む。
こんなちっちゃい体に良く入るなと関心する。
いつものように僕は彼女の食事量を心配する"フリ"をする。
「そんなに食べて大丈夫か?www」。
僕はいつものような冗談で言ったつもりだった。本当に他意はなかった。
しかし、そのときの彼女の目はいつもの冗談を言う目じゃなかった。
なんか寂しそうで、少し怒った感じもあるような今までの「姉さん」には無かった目だ。
「うるさい」
彼女は聞き取るのがやっとなくらいの小声でそういった。僕は耳を疑った。
(いや、これも「姉さん」の冗談だろ?)
そう言いかけたけど、意気地のない僕からやっと出た言葉は
「・・・ゴ、ゴメン」
それから少し嫌な空気が流れたが、彼女はすぐにいつもの「姉さん」に戻ってくれた。
206 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 21:48:22 ID:AEdqIgbm
他愛の無い会話が続くとネタ切れ空気が微妙に横切り、
それを察知したかのように彼女が言った。
「そのネックレス可愛いな」
うおっ!?褒められたぞ!
「どこで買ったの?いいなぁ」
さすがに日本で売ってる代物ではないので、
サイパンで買ったことやしかも怪しい路商で買ったことを告げると、
少しだけ彼女は残念そうにした。
僕はあげようかとも一瞬思ったが、付き合ってもいない、
ましてや旦那持ちの女性に自分の使ってるものをプレゼントするのはさすがに気が引けた。
ケチ?いや、漏れにとっては「姉さん」より大事な彼女がいるからね。
だけど、僕にとってはこのネックレスがちょっと自慢に思えた。
「毎日つけっかな♪」
ホント、単純。。。orz
207 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 21:54:23 ID:AEdqIgbm
食事を一通り食べ終えるとデザートメニューが運ばれてきた。
僕はイタリアのデザートは好きではなかったけど、
一応アフォガードを頼んだ。
これなら甘すぎないし、大人っぽい感じも出せるはずw
僕の注文が決まって彼女に注文を促すように目線を向けたところで彼女はメニュー表を閉じてこう言った。
「甘いもんは無理」
ちょっと残念だけど、なんか「姉さん」らしい。
甘い物が嫌いなんて、男らしいじゃないか「姉さん」。
「嫌いなら仕方が無いね」
俺の何気ない一言にまた、嫌な空気が流れたのがわかった。
さっきの目だ。寂しそうだけど怒った感じの"あの目"だ。
今度は言ってやる
「俺なんかまずいこと言った?」
スマソ。。。やっぱり強気に言えない。。。orz
208 :名無しさんの初恋 :2005/11/04(金) 21:58:51 ID:AEdqIgbm
1秒、2秒、3秒・・・・・・・・・15秒・・・・・って無視かよ、おい!
「・・・・・・・・相談なんだけど・・・」
って、唐突だな、おい!
「姉さん」らしいやりとりが少し楽しくて、さっき感じたあの嫌な感じのことはもう忘れていた。
「どうした?旦那と別れるとかいうのか?シシシwwwwwwwww」
「うん、それもある」





おーーーーーーーーーーーい!!!!!!
やばい、落ち着け俺。こいつの魂胆はなんだ!
やばい告白されるぞ俺!ローマの休日か?いや、それは状況が違う!
離婚とか俺にはわからねーーーー!!!!慰謝料はもらった方がいいんだよな?
弁護士紹介するべきか?つーか、俺には彼女いるし!

今考えると多分これくらいテンパってたと思うんだ。
210 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 22:03:14 ID:AEdqIgbm
自分を冷静にしようと彼女に投げた言葉は
「マジ?」
彼女は頷いて言葉を続けた。
「実はすでに離婚してるんだ。
初めて星君(僕の偽名)に会ったすぐ後くらいに手続きが終わったんだ。
ごめんね。黙ってって」
話では、彼女は半年前に別居して、実家に戻っていたらしい。
離婚も決まって、それで外で遊ぶことが増えたと言っていた。
家にいるのがすごく嫌だったみたいだ。
211 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 22:09:00 ID:AEdqIgbm
そして、離婚の原因はそこそこに、そのまま彼女は自分のことを色々話始めた。
むしろ自分のことより家族の話が中心だったと思う。
お母さんが他界した話、お父さんと二人暮らしだが、酒癖が悪くて困っていること。
お兄ちゃんは結婚して埼玉に行っているとか。
お母さんの話には泣きながら、お父さんの話は寂しそうに、
お兄ちゃんの話は楽しそうに、だいぶお酒が入っていたせいもあって、
所々呂律が回らなかったりもしたが、
表情豊かに2時間くらい話ていた。
212 : ◆HPyFqJcNpk :2005/11/04(金) 22:14:17 ID:AEdqIgbm
話も一段落したころ、彼女はふと思い出したように元の話に戻った。
「で、相談なんだけど。。。」
僕の鼓動が、また少し高まった。
「実は就職先が見つからないんだ。
サービス業をしたいんだけど、知ってるお店紹介してくんないかな?」
なんだそんなことか。。。
僕はそのときのプロジェクトで新規オープンの準備をしてる店があったので、そこを紹介しようと思った。
「明日、面接の段取りしといてあげるね」
「ホントッ!?ありがとう!」よほどうれしいのか、
彼女はやっと働けると何度も何度もつぶやいていた。

正直僕は(電話で言えよ。それくらい)って、心の中で「姉さん」に突っ込みを入れた。
お店はもう、閉店時間を迎えていたので、
それから少し店長達も交えて飲んでから、彼女を送って行った。



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